チャールズ・バーネット

TO SLEEP WITH ANGER

アメリカの独立系映画監督
チャールズ・バーネットの作品を紹介する上映シリーズ
「This is Charles Burnett チャールズ・バーネット セレクション」。
vol.2 となる今回は、90年代を代表するアメリカ映画のひとつで、
批評家から高く評価されるバーネットの長編3作目
『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー 』を上映する。
アメリカの独立系映画監督チャールズ・バーネットの作品を紹介する上映シリーズ 「This is Charles Burnett チャールズ・バーネット セレクション」。
vol.2 となる今回は、90年代を代表するアメリカ映画のひとつで、批評家から高く評価されるバーネットの長編3作目『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー 』を上映する。

STORY
ロサンゼルスのサウスセントラルで暮らすギデオン(ポール・バトラー)とスージー(メアリー・アリス)夫妻の元に、南部時代の古い友人ハリー・メンション(ダニー・グローヴァー)が訪ねてくる。三十年ぶりの再会に驚きながらも、二人は旧友を快く自宅に迎え入れる。陽気で人当たりの良いハリーはすぐに一家に溶け込み、とりわけ夫妻の末息子ベイブ・ブラザー(リチャード・ブルックス)と親しくなる。そんな中、ギデオンが謎の病に倒れる。いっこうに立ち去る気配のないハリーは、次第に別の顔を見せ始める…。

キャリア最高の演技を見せるダニー・グローヴァーに圧倒される!
インディペンデント・スピリット賞4部門を制した
過去と現在を繋ぐための物語
キャリア最高の演技を見せるダニー・グローヴァーに圧倒される!
インディペンデント・スピリット賞4部門を制した過去と現在を繋ぐための物語

『キラー・オブ・シープ』(1977)『マイ・ブラザーズ・ウェディング』(1983)に続くバーネットの長編3作目となる本作は、中流階級の黒人家庭を舞台にしたホームドラマであると同時に、ダークコメディ、マジックリアリズム、民俗学の要素を取り入れた、カテゴライズすることが困難な作品である。

一家を翻弄するトリックスター「ハリー・メンション」を演じるのは、『リーサル・ウェポン』シリーズのマータフ刑事役で当時人気絶頂期にあったダニー・グローヴァー。本作に資金も提供しているグローヴァーは、ウィットと情熱に溢れた演技で、捉えどころのないハリーという役柄を見事に体現している。
また、ハリーのキャラクターが南部の民話に登場する「ヘアリーマン」から着想を得ているように、劇中には黒人民話やアメリカ南部の口承伝承がたびたび暗喩的に登場する。南部にルーツを持つバーネットの自伝的な要素も盛り込まれており、自身と家族が故郷に対して抱いていた両義的な感情が、複数の登場人物に反映されている。

「若い頃に拒絶していた古い民話や迷信を、意味があるものだと思うようになった」とバーネットはインタビューで語っているが、本作が制作された80年代後半のサウスセントラルでは、すでにクラックなどのドラッグによって家庭やコミュニティが破壊されていた。『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー』はそんな時代に作られた、過去と現在を結びつけるための物語である。

本作に登場する音楽は、前二作に劣らず印象的だ。示唆的なオープニング・クレジットで流れるシスター・ロゼッタ・サープの美しいブルース・ソング「Precious Memories」をはじめ、ハティ役のエセル・アイラーが歌う「Stand By Me」、ジミー・ウィザースプーンによる「See See Rider」も忘れがたい。そして物語が終わろうとするまさにその時、アメリカ映画史家のエド・ゲレロが言う「魂の進歩の指標としてのブルース」が響き渡り、観客の胸を打つ。

1990年 サンダンス映画祭 審査員特別賞
1991年 全米映画批評家協会賞最優秀脚本賞
1991年 インディペンデント・スピリット賞
-最優秀監督賞・最優秀脚本賞(チャールズ・バーネット)
-最優秀主演賞・男性(ハリー役:ダニー・グローヴァー)
-最優秀助演賞・女性(リンダ役:シェリル・リー・ラルフ)
2017年 アメリカ議会図書館 「国立フィルム登録簿」登録

1990年 サンダンス映画祭 審査員特別賞
1991年 全米映画批評家協会賞最優秀脚本賞
1991年 インディペンデント・スピリット賞
-最優秀監督賞・最優秀脚本賞
(チャールズ・バーネット)
-最優秀主演賞・男性
(ハリー役:ダニー・グローヴァー)
-最優秀助演賞・女性
(リンダ役:シェリル・リー・ラルフ)
2017年 アメリカ議会図書館 「国立フィルム登録簿」登録

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TO SLEEP WITH ANGER
トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー

監督・脚本:チャールズ・バーネット
製作:カルデコット・チャブ、トーマス・S・バーンズ、ダリン・スコット
製作総指揮:エドワード・R・プレスマン、ダニー・グローヴァー、ハリス・E・タルチン
撮影・ウォルト・ロイド
編集:ナンシー・リチャードソン
音楽:スティーブン・ジェームズ・テイラー
衣装デザイン:ゲイ・シャノン・バーネット
出演:ダニー・グローヴァー、ポール・バトラー、メアリー・アリス、ボネッタ・マクギー、カール・ランブリー、リチャード・ブルックス、シェリル・リー・ラルフ、エセル・アイラー

1990年|アメリカ|102分|アメリカンビスタ|カラー|ドルビー
日本語字幕:加藤初代

*ブルーレイでの上映

イラストレーション|牛島章雄
昭和60年6月生まれ
第一作品集「田山正行映画ポスター作品集」
第二作品集「USTU ISI ALI」を自主製作
zine「だれかの映画史」(北と南刊)を牛島兄弟として制作
エレイン・コンスタンティン監督『ノーザン・ソウル』パンフレット イラスト・ロゴを担当
ブレーズ・サンドラール著「世界の果てまで連れてって! …」(筑摩書房刊)表紙を担当
現在、個展準備中
お仕事の連絡先|bitte16@ezweb.ne.jp/LINE ID:eurax66

イラストレーション|牛島章雄

昭和60年6月生まれ
・第一作品集「田山正行映画ポスター作品集」
・第二作品集「USTU ISI ALI」を自主製作
・zine「だれかの映画史」(北と南刊)を牛島兄弟として制作
・エレイン・コンスタンティン監督『ノーザン・ソウル』パンフレット イラスト・ロゴを担当
・ブレーズ・サンドラール著「世界の果てまで連れてって! …」(筑摩書房刊)表紙を担当
現在、個展準備中

お仕事の連絡先|
bitte16@ezweb.ne.jp
LINE ID:eurax66

SCREENING

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This is Charles Burnett
チャールズ・バーネット セレクション vol.2

日程
2022年10月1日(土)

会場
渋谷ユーロライブ
渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F

タイムテーブル
13:00 開場
『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー』
13:30〜 1回目上映
15:30〜 2回目上映

*入替制

チケット料金
学生 1,500円 / 一般 1,800円

チケット購入
「パスマーケット」にてお求めください。
▶︎「This is Charles Burnett vol.2」特設ページ

主催
After School Cinema Club

問合せ
afterschoolcinemaclub2014@gmail.com
★当イベントやチケットに関してユーロライブへのお問い合わせはご遠慮ください。